2021年(令和3)年末にあたって(引き続き、コロナ禍に思うこと)

緊急追記:2022年4月21日

『サリドマイド事件(第6版)』アマゾンKindle版(http://amzn.to/3xs7pzn)最終決定版完成。日本のサリドマイド事件がどう推移したのか、この資料なくして語ることはできません。シオノギの新型コロナウイルス感染症治療薬(内服)に催奇形性があるとのこと、どのように処理されるのか、超注目。

はじめに

団塊の世代一期生の私は、年が明ければすぐに後期高齢者一歩手前の年齢になります。

私は2021年12月現在、広島市内2か所の保険薬局(同一グループ)で、昨年と同様に月・木の週二日、一人薬剤師として働いています。もちろん各店舗の管理薬剤師さんやスタッフの皆さま方に支えられての話です。

さて、今年も昨年に引き続きコロナ禍(新型コロナウイルス感染症:COVID‑19)に明け暮れた年になりました。

日本国内では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(7~9月)を薄氷を踏む思いで乗り切った後、奇跡的な患者数の減少をみています。専門家の誰一人としてその原因を確信を持って語ることができない中で、新型コロナウイルスワクチンの急激な接種率上昇が大きな要因となっていることは間違いありません。

しかしながら、ワクチン既接種者(2回目接種済み)の抗体価は、ワクチン接種後数か月で相当程度下がることが分かってきています。そのため、追加接種(ブースター接種:回数としては3回目)が、今日12月1日から医療従事者を対象に全国で始まりました。

ところが、それと時を同じくしてまたもや新たな変異ウイルス(オミクロン)が出現し、既に日本国内にも複数ルートで入ってきています。

『サリドマイド事件』アマゾンで紙書籍発売(POD版)・無料キャンペーン(ただし電子書籍第5版)実施予定(12月5日~9日)

サリドマイド事件とは、催眠・鎮静剤サリドマイドを妊娠初期の女性が服用することによって、胎児(正確には胎芽期)に四肢短縮などの障害(奇形)を生じた世界的な薬害事件(1950年代後半から1960年代初頭にかけて)のことを言います。

つまり、サリドマイドには催奇形性があります。

サリドマイドの催奇性について初めて警鐘を鳴らしたのは、レンツ博士(西ドイツ、当時)です。今年は、そのいわゆるレンツ警告(1961年11月15日)から60年の節目の年になります。

私は以前から、自著『サリドマイド事件』(アマゾンKindle版)を版を改めながら発売しています。この度それを第5版(決定版)として、細かい書き換えを行っていました。そうこうするうちに、今年10月、アマゾンから紙書籍(POD版:プリント・オンデマンド/紙の本を必要部数だけ印刷する技術)を直接取り扱うとのお知らせが発表されました。

そこで急ぎ、Kindle版の原稿(EPUB形式)からテキストをWord(DOCX形式)に流し込んだうえで、入稿ファイル(PDF形式)を作成しました。電子書籍では実現できない柱(奇数・偶数ページ別立てとした)やノンブル(ページ番号)も入れました。表紙も新たに依頼しました。

ただいま紙書籍発売(POD版)を記念して、無料キャンペーン(ただし電子書籍第5版)を実施予定にしています。もしよろしかったらどうぞ!
(2021年12月5日(日)午後5時~10日(金)午後5時)

なお、アマゾンの書籍コード(10桁のASIN)は、初版から変わりありません。したがって、既にご購入済みの方は、すぐに書き換えてお読みいただけるはずです。

アマゾン著者ページ

薬被連(全国薬害被害者団体連絡協議会)

日本におけるサリドマイドの生存被害者(1981年5月最終認定:厚生省)は309名です。ただし、そのほか「やむにやまれぬ諸般の事情」によって、手を挙げなかった(名乗り出なかった)方などがいらっしゃいます。実際に私は、2020年5月、そうしたお一人からメールを頂いた経験があります。

サリドマイド被害者の会として、公益財団法人「いしずえ」(サリドマイド福祉センター)があります。そして同会は、そのほかの薬害被害者と連携して、薬被連(全国薬害被害者連絡協議会)を形成しています。

薬被連には、今年11月、8年ぶりに積極的勧奨を再開することになった子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の被害者で構成されたHPVワクチン薬害訴訟全国原告団、さらにはMMR(新三種混合ワクチン)被害児を救援する会などが参加しています。

薬被連は、当然とはいえワクチン接種そのものに対してより慎重になっています。

もちろん、それぞれのワクチン被害が生じた背景には、様々な要因があったことでしょう。しかしながら、例えばHPVワクチンについては、ワクチンの効果が副反応の頻度(程度)を上回るというデータが積み上がってきています。

こうしたデータをきちんと作成したり、それらを分析して正しく伝えることのできる真の専門家が求められています。今こそ、国・製薬企業やマスコミに限らず一般市民も含めて、本物は誰か(本質は何か)を見抜く力が求められています。

科学的根拠(evidence)に基づく考え方の強化は、日本の国力(正しく考える力)の向上につながる問題でもあります。自著『サリドマイド事件』における考察が、”感情面”も踏まえた上で本質を探る一助になれば幸いです。

シオノギ本社に行ってきました

私は60歳定年後再雇用満期4年(満64歳当日)まで、約42年間、塩野義製薬株式会社に所属していました。退職後は特に会社との関係はなかったのですが、2年前にOB会に入会することになりました。そしてこの度、11月末に本社での会議にまで押し出されてしまいました。

シオノギ製薬では現在、新型コロナウイルスワクチンや同感染症の治療薬(内服)を開発中です。成功の目途は立っているようです。かつて「抗生物質のシオノギ」の一員として、感染症領域に関わることの多かった私としてはハラハラ、ドキドキしながら見守っています。

新型コロナウイルス感染症との戦いは、来年が正念場になることでしょう。
皆さまご自愛ください。

山本明正(やまもと あきまさ)

1970年3月(昭和45)徳島大学薬学部卒(薬剤師)
1970年4月(昭和45)塩野義製薬株式会社入社
2012年1月(平成24)定年後再雇用満期4年で退職
2012年2月(平成24)保険薬局薬剤師(フルタイム)
2023年12月(令和5)現在、保険薬局薬剤師(パートタイム)

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