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<吉和(佐伯郡)と私> 団塊の世代一期生: 私は、子年1月(1948年、昭和23年)備後国(広島県東部)に生まれた。いわゆる"団塊の世代"一期生だ。小学校入学(尾道市内)直後、広島市郊外(安芸国)に移転。現在の広島市安佐北区(太田川左岸)、安佐南区(太田川右岸)を経て、小学校4年冬より佐伯郡五日市町(現、広島市佐伯区)に落ち着き、高校卒業までを過ごした。 中学・高校では陸上競技部に所属した。トラック競技が主で、400m(中学)、800m(高校)を走り、冬季は駅伝にも出場していた。五日市中学時代(指導:沖井義彦先生)の陸上競技大会は、佐伯郡・大竹市を一つの単位として運営されることが多く、レベルの高かった大竹中学を目標にしながらがんばった。そして、佐伯郡内の県立廿日市高校に入学してからも陸上競技を続けた。 中国駅伝出場(君原健二といっしょ): 私は高校時代に中国駅伝出場の経験をさせてもらった。高校2年生の冬(1965年1月)のことだ。東京オリンピック(1964年10月)の興奮冷めやらぬ時期で、東京五輪男子マラソン8位入賞の君原健二(八幡製鉄)と、区間こそ違えいっしょの駅伝に出場したことになる。なお、東京五輪では円谷幸吉が銅メダルを獲得し、次のメキシコ大会では君原健二が銀メダリストとなった。そしてその時、円谷幸吉はすでにこの世の人ではなかった。 中国駅伝は、福山(備後)と広島(安芸)という、広島県を代表する2大都市を結ぶ100km余り8区間で行われた駅伝で、箱根駅伝と並んで日本を代表する駅伝だった。第1回大会は1931年(昭和6年)2月11日(紀元節)に開かれ、1995年(平成7年)第62回大会を最後に「全国都道府県対抗男子駅伝競走大会」として発展的に解消している。なお、昭和20年中止、昭和21・22年は呉〜広島間で実施、正式大会としてカウントされていない。*箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走、第1回大会、1920年大正9年実施) 中国駅伝は、私が出場した頃、一般の部、郡市の部、そして高校の部と3部制で行われていた。その制度によってこの伝統ある駅伝に参加することができ、出場者名簿に名前が残っていることは大変な光栄である。 実は私は、"高校の部"では出場しなかった。佐伯陸協B(郡市の部)のメンバーとして出場したのだ。当時、我が高校にも駅伝メンバーとして本大会8区間(福山〜広島間105.3km)を満たすだけの人数は揃っていた。しかし、そのメンバーでは独立したチームは組めない、つまり出場は出来ても大会として恥ずかしくない成績は残せないということになった。そこで、我が高校生を佐伯陸協A・Bの両チームに振り分けて出場させてもらったのである。 佐伯郡出身の強豪・高橋進(君原健二のコーチ): 私の参加した"佐伯陸協"は、戦後再開された中国駅伝において、強豪八幡製鉄を向こうに回して、同じ一般の部(当時、高校の部を加えた二部制だった)で連勝したこともある伝統のチーム(佐伯体連、後に佐伯体協)だ。その当時の中心メンバーだった高橋進(基町高校教諭)は、その後八幡製鉄に移籍してさらに活躍を続け、君原健二と入れ替わるようにして引退した。 君原健二のコーチとして有名な高橋進の生まれは、広島県佐伯郡吉和村だと聞いたことがある。旧制広島一中(広島県立広島国泰寺高等学校)の出身で、中学時代の大先輩には、オリンピック日本初の金メダリスト織田幹雄(1928年アムステルダム五輪、三段跳び)がいる。高橋は"中国駅伝最多13個の区間賞が何よりの勲章"と生涯にわたって言い続けたという。 高橋進の4年後輩(旧制広島一中)に望戸豊数がおり、中国駅伝にも高橋と一緒のチームで幾度か出場している。望戸豊数はその後、大竹中学校陸上競技部監督(17年間)として、中国少年駅伝(呉〜広島間)で14回優勝(9連覇を含む)した。 三上剛先生(私の高校時代のコーチ): 大竹中学校駅伝メンバーの一人に三上剛がいる。私の高校の教師であり、陸上競技部コーチでもあった。私が教えを受けた時期は、三上先生が箱根駅伝(日本体育大学)4年連続出場後、教職について間もない頃のことだ。先生はいつも我々と一緒に走っており、中国駅伝最多出場23回(大竹高校、大学時代出場なし、佐伯陸協、4年間ブランク、大竹市陸協)で47歳まで走り続けた。途中4年間、教員異動により所属チームがなくなり、大竹市陸協を自ら立ち上げるまでは出場すらできなかった時期がある。最多出場記録は本来もっと多くなっていたはずだった。 以上、佐伯郡をキーワードにして、そこに流れる人と人のつながりによって、私たちの中国駅伝参加が可能となった。感謝申し上げるほかはない。 参考:大竹市誕生(佐伯郡から分離独立)、1954年(昭和29年)9月1日
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