AKIMASA.NET >> 細見谷渓畔林と十方山林道(出版計画)

 

<新設部分〜押ヶ峠〜吉和西>


新設区間の終点部分から吉和西地内の区間終点に至る部分(3.7km)
・既設林道を利用して幅員4.0m(車道幅員3.0m)

脆弱な地盤を削って拡幅することは可能か:

大規模林道化の大きな問題点の一つである”地盤の脆弱さ”は、<2号橋から西に向けて山側を削って拡幅する部分>で特に問題となる。そこには、林道に沿って多数の地滑り地形と初期的変形地形が発達している。*初期的変形地形:空中写真の判読によって確認されるような地滑り性の弱い変状

この地域全体が著しい「ゆるみ」状態に達しており、全般的に脆弱化しているのである。このような場所を拡幅するために、2mも山側を削り取れば崩落は必死ではなかろうか。それとも、そのような崩落を防ぐための、強固なよう壁の建設は可能なのだろうか。ここでも、費用対効果について厳しい判断が求められている。

いくつかの観察ポイント:

以下では、現地観察会2003年06月29日(日)の観察地点ごとに、私なりにまとめた内容を紹介してみる。講師は、宮本隆実・広島大学助教授(地質学)と古川耕三さん(地質学会会員)のお二人である。参考:「細見谷と十方山林道」(2006年)古川・宮本P.065-073

最初の観察地点(Point1)は、吉和側から延びる林道が2号橋で突き当たり、曲がりくねりながら下降して、再び接近してくる地点(すなわち3号橋)の真上の部分である(標高約850m)。両側がすでにずり落ちて、真ん中にまだずり落ちずに残っている急斜面がある。(1号橋の位置:押ヶ峠と2号橋の中間点ヘアピンカーブ、標高約860m)

その急斜面をよじ登り崩落開始地点(標高差約40m位)に立つ。足元の地盤はやや平坦でふわふわしており、すでに少しずり落ちて上の地盤との間に段差がついているのがわかる。いずれはここも崩れ落ちる運命にあるのだという。何とも不気味な感じのする場所だ。

最初の地点から吉和側に少し歩いて、西に軽く湾曲した林道の対面に至る(Point2)。流紋岩がこすれて粘土の層になっている(地滑り下底粘土)。粘土は水を通さないのでその上から大量の湧水があふれている。そのため林道に水溜りができている。

最初の地点(Point1)まで引き返し、さらに真っ直ぐ歩いて下る。突き当たりに2号橋があり、その手前が観察地点(Point3)である。地滑り後の崩落崖や、林道脇の”よう壁”にヒビが入っているのを観察する。

この林道が建設(昭和28年、1953年)されてからすでに約50年経っている。しかし、このヒビ割れの原因はただ単なる老朽化だけではなさそうである。山側の地盤が林道側へ押し出されているのがその原因だという。

押ヶ峠〜国道488号線:

十方山林道の吉和側にある押ヶ峠(標高890m台)には、林道開設記念の石柱が建っている。その裏をみると、昭和廿六年四月着工、昭和廿八年十一月竣工となっている。そして、その隣には、昭和三十四年度竣功と書かれた木柱も建っている。(参照:「林野行政今昔、細見谷渓畔林はこうして残った」)

十方山林道の終端部は、国道488号線と接する地点(吉和西)である。そこから峠を越えて主川沿いに下れば、国道186号(中津谷)に至る。なお、峠のすぐ先で左折して大向長者原線(最終工事中、通行止め)を行けば、お関の墓(オセキガ峠)の先で、左に沼長トロ山取付きを分け、角兵衛の墓を通り過ぎて、国道186号(大向)に至る。


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