AKIMASA.NET >> 細見谷渓畔林と十方山林道(出版計画)

 

<七曲(新設部分)>


新設部分(計画延長1.1km)
渓畔林の終点から屈折した既設林道部分を避けて
再び既設林道に至る部分(1.1km)
・幅員4m(車道幅員3.0m)

七曲(廃道予定):

十方山林道は、カネヤン原(上ノ谷、標高754m表示)、5号橋(カネヤン原中ノ谷、標高約750m)を過ぎてなおも南西方向に、細見谷川右岸に沿って下る。そして、最下点(標高約730m)から少し上って、標高740m台の地点に至る。右手の細見谷川側に小丘があり、その上に祠(山の神)がある。山での安全を願って林業関係者が設置したものと思われる。

細見谷川は、祠の下でほぼ直角に曲がり、東南東方向の細見谷渓谷へ流れ込む。これに対して、十方山林道は、断層を避けるようにして曲がりくねりながら高度をかせぎ、北西方向の2号橋(標高820m台)に至る。途中の4号橋(標高750m台)、続いて3号橋(標高780m台)では、2号橋を通って落ちる同じ谷(スキヤドウ)を渡りながら、ゆっくりと上って行く。七曲は、歩いて登ってもそれ程負担にならない勾配で作られている。

なお、それぞれの橋の具体的な位置は次のとおりである。4号橋は、祠から上がって標高750m台に達した地点で、沢を285度(磁北から)に見上げる。3号橋は、上の押ヶ峠に至る林道と最も接近する地点、そして、2号橋はこの付近で最も北の地点にある。

七曲は断層がぶつかり合う場所だ:

さて、この辺りは、北東-南西系の断層、すなわち渓畔林部分を含む細見谷川上流部と、西北西-東南東系断層、すなわち細見谷川下流部(細見谷渓谷部分)のぶつかり合う場所となっている。

祠で山側に断層をみることができる。泥質岩(左)とチャート(右)であるという。チャートとは、海洋底で放散虫に含まれるSiO2(二酸化珪素)が固まったものだ。

3号橋わずか下方の山側で主断層を確認する。流紋岩(白亜紀)と泥質岩(ジュラ紀)がぶつかっているもので活断層かどうかまでは確認されていない。北東−南西方向にいく本か平行して走る広島県の断層のひとつである。

以上、現地観察会2003年06月29日(日)その他を踏まえて、私なりにまとめてみた。なお、現地観察会の講師は、宮本隆実・広島大学助教授(地質学)と古川耕三さん(地質学会会員)のお二人である。参考:「細見谷と十方山林道」(2002年)古川・宮本P.008-010

新設部分(2号橋〜カネヤン原):

七曲断層地帯を避けるため、大規模林道計画では、2号橋下の屈折点手前辺りからカネヤン原営林署跡に向けて、ショートカット道を新設することになっている。地質の専門家によれば、できる限り平坦な部分を使って、うまく線を引いているとのことである。

しかし、実際に現地を歩いてみると(2006年4月30日(日))、二万五千分1地形図における標高表示(10m毎)では表われてこないアンジュレーションがかなりきつく、予想よりもハードな山歩きとなってしまった。

カネヤン原の中ノ谷や上ノ谷は、特に傾斜のきついY字谷となっている。計画では、これらの区間は、橋梁処理でなくヒューム管処理をするという。この辺りから土砂が流れ落ちれば、細見谷川下流部の細見谷渓谷まで達する可能性がある。日本百名谷の一つが埋まってしまうことはないだろうか。

カネヤン原は動物たちの楽園だ:

新設予定ルートを、2号橋の方からカネヤン原に向って下る途中では、いくつかの谷(沢)を渡り尾根を越えていく。ほとんどスギ植林帯となっているこの地域は、従来は植物学的な興味を引く場所とは考えられていなかった。しかし、その林床は植物の宝庫であることが、ここ1〜2年の調査で明らかになってきている。

2号橋から下りて来て、カネヤン原上部の最後の尾根に立つと、それまでの暗い針葉樹林帯から目の前がぱっと開けて、明るい落葉広葉樹の林をみることができる。そして、この場所は、ツキノワグマなどの動物たちにとって恰好の採餌場となっている。さらに、最近ではアナグマ(緑資源機構の調査では未確認の哺乳類)も見つかっている。

金井塚務は、この場所について次のように説明している。「渓畔林入り口付近、かつて造林小屋があったところのほど近く(カネヤン原)は緑資源幹線林道の新設が計画されているところである。このあたりは、マユミの巨木やシデ(アカシデ・クマシデ)の古樹に混じって、ヤマザクラ、ミズキ、アズキナシ、ウラジロノキなど液果が実る樹種が多いのが特徴となっている」(「細見谷に大規模林道はいらない」2006年7月6日付け)。

期中評価委員会の現地調査(2006年6月28日(月))でも、この場所は話題になったらしい。そして、この11月、カネヤン原付近の林道中央部では、新しいセンター杭が下流部に向けて何本か打ち込まれていた。マユミの大木がある落葉広葉樹林帯を避けて、「新設部分の設計が変更された」のかもしれない。


細見谷に大規模林道はいらない、2006年7月6日(木)
http://hosomidani.no-blog.jp/jumintohyo/


AKIMASA.NET

日本の薬害・公害 薬害防止のために薬剤師のやるべきことは
団塊の世代一代記 日本のベビーブーマーって結局何なんだろう
日本百名山Webの旅 Web上で百名山完登に挑戦してみよう
中国地方の山100選(私の踏み跡) 見渡せばいつも身近に山がある
細見谷渓畔林と十方山林道 大規模林道化はほんとうに必要なのか

site map 自己紹介、著作権・リンク等、連絡先メールアドレスを含む
What's New  主なサイト内更新情報あるいは近況など

AKIMASA.NET
http://www.akimasa21.net/
− 21世紀は環境の世紀 −