AKIMASA.NET >> 細見谷渓畔林と十方山林道(出版計画)
<二軒小屋〜水越峠〜渓畔林まで>
二軒小屋から渓畔林の起点に至る部分(3.8km) 二軒小屋めざして大規模林道を行く: 二軒小屋は、広島県道252号(恐羅漢公園線、戸河内〜内黒峠〜二軒小屋)の終端にある。まず、中国自動車道(戸河内インター)から国道191号を三段峡方面に向う。やがて、安芸太田町戸河内にある町役場前を通過する。しばらくして、太田川合流点付近の信号を左折した所にある明神橋で柴木川を渡る。そして、すぐに右折すれば広島県道252号に入る。そのまま坂道を登れば、最高点の内黒峠に達し、そこを通り越して下れば二軒小屋に至る。 なお、この県道が通行止めの場合には、国道191号をさらに益田(島根県)方面に向かい、深入山を右手に見て小板まで行くと、完成済みの大規模林道と交差する。
小板には、「恐羅漢、大型車可、左折10km」のきれいな案内があるので、間違えることはないだろう。また、りっぱな縦看板があり、次のように書いてある。 小板は、「緑資源幹線林道」大朝・鹿野線戸河内〜吉和区間(城根・二軒小屋工事区間)と国道191号の交点に当たっており、城根〜二軒小屋工事区間11.1kmは、すでに2004年(平成16年)12月に完成している。したがって、小板で左折してりっぱな大規模林道を行けば、迷うことなく二軒小屋に到着する。しかし、林道途中では、法面の崩落や谷筋の崩落で工事中の箇所がある。大規模林道は完成後、地元移管してからが大変なのだ。ここの区間もしょっちゅう崩れており、いつも工事中だ。 地元の意向とは: 二軒小屋に着くと、そこには横断幕があり、「緑資源幹線林道の早期完成を!!」と書いてある。大規模林道戸河内受益者組合・横川自治会のもので、「自然に向かい合い、自然を守っているのは私たち横川の住民です」とも書いてある。確かに、横川の人達がこの辺りの道を整備したり、藤本新道を新設したりしてくれているはずだ。いつも感謝の気持で入山させていただいている。 ところで、"まぼろしの大規模林道工事推進67,000名署名"というものがある。緑資源特定森林圏整備推進広島県協議会という団体が集めたとされるもので、工事推進根拠の一つとなっている署名だ。日本熊森協会ホームページ上では、この件に関する問い合わせの結果を公表している(2006年5月18日付け)。 それによると、署名を受け取ったとされる「廿日市市と緑資源公団広島地方建設部」の回答は、「署名をいただいたことは事実ですが、保存していません」。そして、林野庁の回答は、「署名などの文書は、保存期間は1年です。もう、処分しました」となっている。そして、署名を行った団体はすでに解散しているとも書いている。旧・吉和村の人口800人台、旧・戸河内町の人口約3,200人だ。その他大勢の賛同者63,000人は、どの地域のどの様な立場の人たちであったのか、今となっては全く闇の中となり、工事推進だけが一人歩きしている。 また、廿日市市と旧・吉和村の合併建設計画には、大規模林道関連の事業は記載されていない。それにも係わらず、廿日市市長は「細見谷での大規模林道工事推進は合併時の約束ごとである」と繰り返し発言してきた。そこで、これに関する公文書を探したところ、該当文書を見つけることはできた。しかし、その内容は、「佐伯・吉和・廿日市の合併時の事務引継のうち大規模林道に関する部分」として、わずか3ページに過ぎないものだった(「細見谷に大規模林道はいらない」2006年7月28日付け)。 二軒小屋から荒れた林道を行く: 今年(2006年)初めて二軒小屋(標高800m台)から十方山林道に入ったのは、5月5日(金)のことで、水越峠(標高990m台)の前後では、約30cm程度の雪を踏んで歩いた。この冬は特に大雪だったようだ。 二軒小屋付近で積雪3mともいわれている。先回4月30日(日)に、反対側の吉和西から入ってスギなどかなり倒木を見ており、雪の影響が大きかったことはわかっていた。それにしてもひどい荒れ方だ。 歩き始めて直ぐに舗装が切れて地道になると、表面の土が雪解け水で流されて、ガラガラの小石が頭を出している。極めて歩きにくい。しばらく歩くと、一軒屋があり屋根がずり落ちている。柱も傾いているようだ。それでも再建に向けて人の手が入っている(この夏中、ご主人が手入れをされた)。なお、この家は今では別荘的に利用されているものだ。いわゆる民家は、十方山林道上には一軒もない。 今年中の工事着手に向けて、その後、この家の辺りまで土が入れられたので、非常に歩きやすくなった。つまり、わずかな手当てをするだけで、十方山林道(幅員3m)に4トントラックを通すことなぞ造作もないことなのだ。それにもかかわらず、測量隊も入って拡幅舗装化工事に向けて臨戦態勢は整いつつある。 小型サンショウウオ観察地点: 水越峠手前で林道が蛇行している地点に、十方山登山口(シシガ谷コース)そして恐羅漢山登山口(旧羅漢山〜恐羅漢山)がある。水越峠を越えて、再び林道が大きく蛇行している箇所がある。そこのケンノジ谷(標高約960m)にコンクリート製の橋(9号橋)がかかっており、私はそこで初めて小型サンショウウオを見た(2002年8月10日(日))。 標高960mというのは、「細見谷の渓谷植生」(特定植物群落)の始点にあたっている。「細見谷の渓谷植生」の範囲は、そこから十方山林道沿いに少し下ったところの渓畔林部分と、そのさらに先で、細見谷川がほぼ直角に曲がって流れる細見谷渓谷部分の両方を含んでいる。 ところが、その位置図(生育地図)では、細見谷渓畔林部分が削除されてしまっている。関係当局の不誠実な対応がその原因と考えられており、日本生態学会でも遺憾の意を表わしている( 参照:「「細見谷の渓谷植生」調査と人材育成」)。 なお、小型サンショウウオは、この前後から渓畔林部分の全般にわたって、十方山林道沿いで見ることができる(「細見谷と十方山林道」(2002年)P.033-039)。最初の観察会&調査では、私は妻と孫二人を連れて参加した。そして、今年残雪の時は、末っ子長男と同行した。彼がバイクで雪の林道を走破しようとして敗退した後で、いっしょに歩いてみたいと言ってきたのだ。しばらくして、その彼に初めての子供(長男)が生まれた。 林道工事、ついに着手: 2006年11月21日(火)、ついに細見谷大規模林道工事が始まった。二軒小屋側、吉和西側ともにゲートが設けられ、全面通行止めとなっている。ほんとうは数日前から伐採工事は行われていたようだ。それはともかく、この地域の基礎的な調査が不十分であることは、緑資源機構、林野庁ともに認めていることである。工事を進めながら、そうした基礎調査を行うという「環境保全フォローアップ調査」( 参照:「環境保全調査検討委員会」)という制度は、十分にその機能を発揮することができるのであろうか。
日本熊森協会>>細見谷大規模林道問題、2006年5月18日(木)
日本の薬害・公害 薬害防止のために薬剤師のやるべきことは AKIMASA.NET
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