AKIMASA.NET >> 細見谷渓畔林と十方山林道(出版計画)

 

<おわりに>


細見谷大規模林道工事(計画延長13.2km)は、2006年11月21日、緑資源機構によってついに着手されました。工事は、林道両端部である二軒小屋(戸河内側)、吉和西(吉和側)の両方から行われるようです。核心部分である細見谷渓畔林は守られるのでしょうか。そして、断層帯の工事にはどの位の費用、あるいは維持費がかかるのでしょうか。まだまだ分からないことだらけです。期中評価委員会(林野庁)ですら、工事の影響を評価するには、まだまだ基礎的なデータが不足していると述べています。工事を急ぐ理由はどこにも見当たりません。

さて、約二万年前の地球は、最終氷期の最寒冷期を迎えて、西日本でも低地までブナを伴う冷温帯針広混淆林で覆われていました。やがて、気温が上昇していくにつれて、広島・島根・山口三県境尾根を中心とした西中国山地では、北に連なる冷温帯落葉広葉樹林が狭い範囲ながらも残された状態となりました。しかし、そこは信じられないような豪雪地帯であり、深い深い森が形成されていたのです。

西中国山地には、ゴギ(日本産イワナ属)など北方系の動植物がたくさん暮らしています。ツキノワグマもそうした動物の仲間です。クマは、本来は人里離れた深山で静かに暮らしているはずの動物です。かつての深い深い森さえあれば、けっして人里には出てこないはずの動物なのです。

クマが安心して暮らせる落葉広葉樹の豊かな森を取り戻してやろうではありませんか。実は、そうした環境こそ、ヒトの生存にとっても欠かせないものだと思うのです。豊かな森なくして、豊かな水源はありません。そして、豊かな川も豊かな海もありません。太田川という豊かな恵みに感謝しつつ、その環境の維持について考えてみたいと思うのです。

この本は、私がWeb上で書きためていた文章をまとめたものです。私は、Webを立ち上げ維持していく過程で、数限りなくインターネットで調べ物をしてきました。数多くの方々にメールを出してきました。そして、逆に何人かの方々からメールをいただきました。ほとんどすべて面識のない方々ばかりです。

インターネットの最大の利点、それは、ごく普通の人々が簡単に「表現者」になれることでしょう。しかしながら、少しづつ書きためた文章には、内容に少しづつブレが生じる恐れがあります。ある時点で、一つのテーマに沿って「書籍化」することは、非常に重要なことだと考えられます。本書のそうした試みが成功しているかどうか、興味のある項目だけでも、改めていくつか目を通していただければ幸いです。

そしていっしょに考えましょう。21世紀は環境の世紀、地球を救うチャンスは今しかありません。

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書第1作業部会報告書(自然科学的根拠)」が、2007年2月1日パリで受諾されました。その概要は、経済産業省ホームページ>> その他関連情報>> 報道発表(2月2日公表)で確認することができます。

報告書は、まず第一に「気候システムに温暖化が起こっていると断定するとともに、人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因とほぼ断定」しています。地球温暖化の原因は、人類の活動による温室効果ガス増加による可能性が大であり、その確率は9割以上であると結論付けたのです。

これは、第3次(前回)評価報告書の結論である「可能性が高い」という表現よりも、さらに踏み込んだものであり、限りなく断定に近い表現になったといえるでしょう。人類は今後の地球環境を守ることができるのでしょうか? 今や、待ったなしの段階まで来ています。

(追記) ハリウッドで開かれた第79回米アカデミー賞授賞式(2007年2月25日)で、「不都合な真実」(デイビス・グッゲンハイム監督)が、長編ドキュメンタリー賞など2部門でオスカーを受賞した。この映画は、アル・ゴア前米副大統領自らが、世界各地で地球温暖化防止を訴えてきた講演会の様子などをもとに作られたドキュメンタリー映画で、全世界で反響を呼んでいる。


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