AKIMASA.NET >> 細見谷渓畔林と十方山林道(出版計画)

 

<沼長トロ山>


沼長トロ山1014.4m周辺はマイナーな山域だ。しかし、それだけに自然が色濃く残る魅力的な山域となっている。沼長トロ山は、細見谷渓谷(細見谷川下流部)の南側に位置しており、北側の黒ダキ山と対峙している。以下では、沼長トロ山を基点として、馬蹄形に歩くルートについて考えてみる。樹木に覆われて見通しのきかない箇所も多く、地図とコンパスは必携である。

取り付き口:

沼長トロ山の取り付きは、大向長者原線のオセキガ峠(お関の墓)を基点に考えると分かりやすい。大向長者原線は、国道186号の旧吉和村大向(美濃木神社の横)から、全体としては概ね北西の方角に延びており、その最高点がオセキガ峠(標高920m台)である。

大向長者原線は、オセキガ峠を越えて下ると、同じく国道186号の旧吉和村中津谷から北西に延びる国道488号と合流(標高820m前後)する。国道488号は、合流地点のすぐ先で右手に十方山林道を分けて、島根県益田まで延びている。なお、大向長者原線では、ここ数年にわたって拡幅舗装化工事が行われており、国道488号合流点付近を残して工事はほぼ完了している。

さて、オセキガ峠から、大向長者原線(りっぱな舗装道路)を南東に少し下り、すぐ左手の旧道(未舗装)に入る。北に突き出たカーブの奥が少し開けた原っぱになっており(標高910m前後)、そこから東側の小尾根に取り付く。最初は急坂だ。しばらくして尾根(標高940m台)に乗れば勾配はそれ程でもない。北東に向けて、小潅木の中を2〜3回小さくアップダウンしながら高度をかせぎ、簡単に沼長トロ山1014.4mに達する。

沼長トロ山1014.4m:

沼長トロ山山頂から北へ向って少し下る。最初の1000m台ピークを越えてなだらかピークを北西に行くと、左手1000m台ピークに向けて踏み跡があり、その右奥に千両山1175mを見る。なおも北西に進み鞍部に至る頃、左手下に未舗装の林道が現われる。二つ目の1000m台ピークを越えて下りに入ると、千両山の左裾奥に、高井山1097.4m、安蔵寺山1263.2mが見える。

そこから、ほんの小さな鞍部(990m台)を過ぎて、34度(磁北から)に向きを変えて登ると990m台ピークに至る。樹間に五里山系(1130m台〜1158mから京ツカ山1129.7mも見えているか)を認める。なお、この鞍部とピークは、同じ990m台に含まれる小さな変化であり、二万五千分1地形図では表現されない 。

同じ990m台の小さなコブを過ぎて下りとなり、鞍部970m台(ロクロ谷最上部)に至ると、ブナなどの大木が点在する自然林が美しい。ここをそのまま北東に駆け上がればA峯(1000m台)だ。眼下に細見谷渓谷(細見谷川下流部)、左前方には、五里山(1130m台)〜1158m〜焼杉山(1225.2m)〜旧羅漢山(1334m)〜恐羅漢山(1346.4m)を見る。右前方には、黒ダキ山1084.7m、その左奥に十方山1318.9mをみる。

A峯(1000m台)〜1023m:

A峯からは、1023mの方角(東南東)に向けて、細見谷渓谷の南壁を行く。まず、小コブをはさんで二度ほどササ原の中を下る。踏み跡は分からない。次に登りついた地点は990m台(1000m台ピークの北)だ。縦走路を進むには、一旦南に振ってすぐ隣の1000m台ピークを越える必要がある。約200度の方角で、馬の背のような尾根を、前方に見えるピーク(1000m台)に向けて進む。

1000m台ピークを越え、東側に進路を戻して下り、鞍部(標高990m台)に至る。樹間に黒ダキ山を見る。正面には十方尾根の1067mも見える。鞍部の先の小コブを越えると、小さな岩場が続くヤセ尾根となり、足元にはイワカガミが多く、両側は自然林で気持ちがよい。

やがて展望岩場(1020m台最西端)に着く。細見谷渓谷の向こうに、黒ダキ山を見る。その左奥に十方山が入り、そこから十方山南西尾根(1142m〜1067m)が細見谷渓谷に向って延びている。それらのさらに左奥には、五里山系(1158m〜京ツカ山1129.7m〜焼杉山1225.2m)がはっきりと見える。焼杉山の右奥に、旧羅漢山1334.2m〜恐羅漢山1346.4m〜(砥石郷山1177m)が入る。砥石郷山は、1067mピークの後に隠れる。

展望を楽しんだ後、ヤセ尾根の岩場を行く。せまくてちょっとした難所になっている。無事通り抜ければ、大岩のある1023mピークだ。ここからB峯〜C峯に至るルートが分かりにくい。B峯〜C峯〜D峯の位置を、しっかりと地形図にまで落としこんでおく必要がある。

B峯〜C峯〜D峯:

二万五千分1地形図を改めて見直すと、1023mのほぼ真南にD峯がある。そして、1023m→B峯→C峯→D峯と移動するにつれて、ゆるやかにカーブを描きながら、南に方向転換をしているのが分かる。(沼長トロ山1014.4m、A峯1000m台、1023m、B峯970m台ベロ、C峯970m台、D峯970m台)

1023mから、小さな鞍部(地形図では表現されない)で左手に二ノ谷をみながら、970m台コブに至る。ここがB峯で岩がある。そのまま東の方角に間違って下ると、一ノ谷北側の尾根に入る。周りを樹木で囲まれほとんど見通しはきかない。右手にはブナ、ブナ、ブナの連続である。足元はブッシュで道はない。

さて、B峯から、落ち着いて右手下に目を凝らすと、何となく馬の背状の尾根が見える。ゆったりとした下りの後に少し登ると、山頂の大岩が見えてくる。C峯だ。その向こうの鞍部に向けて下り、急斜面の疎林の中を滑りながら登ると、D峯に着く。

D峯から、東南東の尾根が922mに向けて延びている。なお、基準点成果等閲覧サービス(国土地理院)をみると、銅山四等三角点920.6mが、922m付近に新設(2004年8月5日)されている。

さて、D峯からカワゴエ谷右岸の尾根を南下すると、”3つ目の鞍部より沼ノ原へ降りる小径がある「西中国山地」P.118”となっている。最初の小さな鞍部(940m台)を右に下ってはいけないようだ。沼ノ原の支流に下りるため歩きにくいのかもしれない。その次の鞍部(標高920m台)を右に下って沼ノ原に下りる。

沼ノ原:

沼ノ原には踏み跡もついている。小川の側を適当に歩いてヒノ谷と合流する。出会いには新設林道の銅山線がある。林道に上がって南西に歩くと、大向長者原線に合流する。そこを右折して少し登るとオセキガ峠に帰り着く。なお、ここを左折してわずかに下ると、左手に角兵衛の墓がある。

ところで、1023mから南南東に張り出した小尾根を下ると、植林帯の中を通って、沼ノ原左岸に流れ込む支流(標高900m台)に下り立つことができる。そこから右手すぐのところに沼ノ原本流を見る。


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