AKIMASA.NET >> 細見谷渓畔林と十方山林道(出版計画)
<期中評価委員会と住民投票を実現する会> はじめに: 平成18年度緑資源幹線林道事業"期中評価"委員会は、第4回委員会(2006年8月18日(金)東京)で結審した。期中評価委員会は、全国の幹線林道事業全般の定期的な見直しを行うことを目的としており、今回は大朝・鹿野線(細見谷渓畔林を含む)もその対象となっていた。 審議の結果、同路線全体としての事業は継続とされたものの、二軒小屋・吉和西工事区間の渓畔林部分および新設部分については、「現在の計画の不十分さを委員会として認めた」(中国新聞社説2006年8月20日付)結論が出された。前年度(2005年11月)に出された環境保全調査検討委員会による結論のうち、付帯意見(委員2名)部分と同趣旨と理解される。 また、「細見谷大規模林道建設の是非を問う住民投票を実現する会」は、「廿日市市における細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例制定請求」(直接請求)の署名活動において、有権者総数の8.3%の有効署名を集めた。この住民投票条例案は、臨時市議会で否決されたとはいえ、必要署名数(2.0%)を大幅に上回る賛同が得られたことの意義は大きい。 期中評価委員会(再評価委員会)とは: 林野庁は、時のアセスメント(公共事業の再評価システム)制度の導入を受けて、「大規模林道事業再評価実施要領」(平成10年4月1日施行)を作成した。その評価システムと目的について、林野庁発の文書(平成15年10月24日付け)があり、その内容(一部)は次の通りとなっている。*平成10年(1998年) 「大規模林業圏開発林道事業について、事業の効果的・効率的な執行及び透明性を確保する観点から、原則として新規着工の翌年度から5年の倍数年目に当たる路線を対象に,社会経済情勢等の変化等を踏まえた事業の期中評価を行っています。この期中評価は、実行中の事業について今後の事業実行の妥当性を検討するものであり、着工中区間の今後の取扱いについて検討することとしています」*大規模林業圏開発林道事業(現・緑資源幹線林道事業) 戸河内・吉和区間の経緯(廿日市市ホームページ内、緑資源幹線林道事業 戸河内・吉和区間)によれば、大朝・鹿野線では2000年(平成12年)12月に再評価委員会の意見が出され、「環境保全への配慮等のために、幅員を縮小するなど計画路線一部を変更した上で事業を継続することとする。なお、渓畔林部分については環境保全に十分配慮して事業を実施する必要がある」とされた、となっている。 そして、平成18年度の期中評価の対象には、全国7林業圏域(32路線)の中から、大朝・鹿野線(2回目)を含む6路線が選ばれた。 期中評価委員会の意見: 林野庁は「平成18年度第4回緑資源幹線林道事業期中評価委員会の議事概要について」を公表している(2006年8月21日付け)。それを読むと、なかなか真剣な議論がなされており好感のもてる内容となっている。そして、路線ごとの「委員会の意見」が別添資料として付けられている。「平成18年度緑資源幹線林道事業期中評価委員会の意見」(計6路線)のうち、5、大朝・鹿野線(委員会の意見)の部分は次の通りだ。 「森林の有する多面的機能の発揮、林業・林産業の活動の見通し、地域振興への貢献度等を総合的に判断した結果、次の通り、戸河内・吉和区間について条件を付すとともに、鹿野区間に計画変更を行った上で、事業を継続することが適当と考える。 戸河内・吉和区間については、林道整備の必要性は認められ、地元の要請も強い一方で、特に渓畔林部分及び新設部分については、自然環境の保全の観点から、さらに慎重な対応が求められる。このため吉和側、二軒小屋側の拡幅部分については、環境保全に配慮しつつ工事を進めることとする。 また、渓畔林部分及び新設部分については、地元の学識経験者等の意見を聴取しつつ引き続き環境調査等を実施して環境保全策を検討した後、改めて当該部分の取り扱いを緑資源幹線林道事業期中評価委員会において審議する。 鹿野区間については、事業効果の早期発現や事業費の縮減を図る観点から、路網整備が必要な森林と公道を効果的に結ぶよう線形を変更する。(以上)」 このような条件が付された結論が出されることは大変異例のようだ。委員会の意見(計6路線)の中でもきわだって記述分量が多くなっている。期中評価委員会として、細見谷は貴重な存在であるということを示した結果といえよう。 中国新聞社説「細見谷林道、宝の活用法再考したい」: 2006年8月20日(日)付け中国新聞(社説)は、「細見谷林道、宝の活用法再考したい」のなかで次のように述べている。 「一昨日の林野庁の「期中評価委員会」は、細見谷を通る幹線林道の整備計画(一三・二キロ)で、渓畔林部分(四・六キロ)と道路新設部分(一・一キロ)について、さらなる環境調査を求め、着工の是非についての結論を来年度以降に持ち越した。現在の計画の不十分さを委員会として認めたのである」 そして、次のように締めくくっている。「西日本でもここでしか見られない「宝」を、生かす方法はいくらでもありそうだ。歩いて癒やされ、楽しく学習できる自然。従来の観光と違う独自の観光開発も考えられる。それに応じたワサビなどの特産品の生かし方もあろう。初めに道ありき、ではない。最初に自然ありき、で再考したい」 住民投票を実現する会(署名活動): 2006年8月18日(金)奇しくも第4回期中評価委員会開催と同じ日に、「廿日市市における細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例制定」について審議するための臨時市議会が開かれた。これは「廿日市市における細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例制定請求」(直接請求)の署名活動(代表・金井塚務、事務局長・高木恭代)の結果を受けて開かれたものである。 残念ながら、住民投票条例案は7対24で否決されたため、住民投票は行われないことになった。つまり、最終的に市民の意思を示す機会は失われたことになる。しかしながら、物理的な限界(署名期間わずか一ヶ月)があるにもかかわらず、有効署名7,867(署名総数8,053、無効186)、すなわち廿日市市の有権者数94,776人(2006年6月2日現在)の8.30%の有効署名が集まったことの意義は大きい。これをもって廿日市市民の総意と考えてほぼ間違いないだろう。なお、必要署名数は有権者数の2.0%(1,896人)であった。 参考:地方自治第74条「政令の定めるところにより、選挙権を有する者の50分の1以上の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例の制定又は改廃の請求をすることができる」 5月13日、「細見谷大規模林道建設の是非を問う住民投票を実現する会」発足 廿日市市の対応: 廿日市市では、工事着手予定として、2006年9月現在ホームページ上で次のように公表している。「緑資源幹線林道 大朝・鹿野線 戸河内・吉和区間(二軒小屋・吉和西工事区間)、平成18年度吉和西側3.7キロと二軒小屋側3.8キロの拡幅部分の一部に工事着手予定」。(2006年11月21日、実際に着手された。しかし、12月16日現在ホームページの変更なし) また同ページでは、戸河内・吉和区間の経緯をまとめたリストを作成しており、そのNo.12で、上記「期中評価委員会の意見」(戸河内・吉和区間)における廿日市市関連部分を転載している。その際に、"事業を継続"することが適当、"環境保全に配慮しつつ工事を進める"として、""内の2点を太文字表記している。 しかしながら、上記中国新聞(社説)で述べているポイントの「渓畔林部分及び新設部分については、地元の学識経験者等の意見を聴取しつつ引き続き環境調査等を実施して環境保全策を検討した後、改めて当該部分の取り扱いを緑資源幹線林道事業期中評価委員会において審議する」という部分については、何ら特別な表記はしていない。 なお、その一つ前の項目(No.11)では、「廿日市市議会で、直接請求による細見谷林道工事の是非を問う住民投票条例案を審議、7対24の反対多数で住民投票条例案は否決された」として、"住民投票条例案は否決"の部分を太文字で表記している。 「大規模林道事業期中評価対象路線のうち着工中区間の今後の取扱いについての意見の募集」(林野庁整備課、大規模林道事業期中評価委員会事務局発)
林野庁>>審議会等>>緑資源幹線林道事業期中評価委員会http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h18-8gatu/0821midorisigen.html 廿日市市HP>住まいとまちづくり>緑資源幹線林道事業 戸河内・吉和区間
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