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< 戦艦大和の最期(米側資料による)

戦闘(沖縄水上特攻)の詳細は、米海軍側資料および戦後の米海軍調査団報告書(日本人生存士官への聞き取り調査)によると以下の通りとなる。

参考資料:原勝洋著作
「真相・戦艦大和ノ最期」KKベストセラーズ(2003年)
「戦艦大和のすべて」インデックスコミュニケーションズ(2005年)

両作品とも力作である。ただし、同一著者による書籍でありながら、両著には数字の矛盾点が多すぎる。例えば、「大和」艦隊全体に対する敵攻撃機数と、軍艦「大和」を直接攻撃した敵機数の混同混在、あるいは数値の不一致などである。以下では、主として「真相・戦艦大和ノ最期」を参考とした。


「戦艦大和」に対する直接攻撃117機(原勝洋著作より)
戦闘機15機、戦闘爆撃機5機、合計20機
急降下爆撃機37機
雷撃機60機(内1機は魚雷でなく爆弾搭載)

「戦艦大和」は、<左>舷に対する魚雷攻撃を集中的に受け、その結果、船腹を大きく開けた<右>舷に止めの魚雷数発をくらう。戦闘初期の爆弾命中によって発生した火災が燃え続けており、弾薬庫に誘爆をおこして轟沈する。

米国側資料によれば、魚雷58本発射(15本前後命中確実)、爆弾77発投下(10発以上命中)、その他、ロケット弾112発発射などとなっている。軍艦大和戦闘詳報による魚雷10本、爆弾5発という数字の約2倍のダメージを受けていたことになる。

「第一遊撃部隊」攻撃機数386機(モリソン著作より)

米側空母搭載896機中、発進機数386機
1任務群所属113機、3任務群所属167機、4任務群所属106機
(戦闘機180機、急降下爆撃機75機、雷撃機131機)
各任務群の構成(原勝洋著作より)は、本ページ下段参照のこと

なお、戦闘機16機が誘導と直援のため、本隊発進の45分前(午前9時15分)に発艦している。この機数が上記に含まれているのかどうかは不明。

実際の出撃機数367機(原勝洋著作より)

第一次攻撃隊発進(午前10時頃)
第58・1任務群所属の271機中101機
第58・3任務群所属の367機中159機

それぞれの任務群毎にほぼまとまって飛行を続けた。ただし、15分遅れて発艦した空母「ハンコック」所属の38機(原勝洋著作本文記載数値)は「大和」を発見することなく帰投したという。

原勝洋著作の各任務群構成(本ページ下段参照)によれば、ハンコック所属の出撃機数は48機となっている。 別の資料(平間洋一編「戦艦大和」)によれば、ハンコック隊51機すべて(原勝洋著作とは数値が違う)が目的を達せず帰投したという。 いずれにせよ、「ハンコック隊」は全機とも直接攻撃には参加できなかったものと思われる。

第二次攻撃隊発進(10時45分頃)
第58・4任務群所属の256機中107機
そのうち105機が実際に日本艦隊を攻撃する。
(エンジン故障、燃料系統トラブルで、戦闘機2機が母艦に引き返す)

出撃機総数367機の機種別内訳:
戦闘機ヘルキャット106機、戦闘爆撃機コルセア52機、合計158機
急降下爆撃機ヘルダイバー78機
電撃機アベンジャー131機

ただし、
原勝洋著作の各任務群構成(本ページ下段参照)の数値を小計すると、
出撃機数367→377機となる
(3任務群所属159→169機、急降下爆撃機77→88機)
また、戦闘機113機(本文記載106機)+戦闘爆撃機45機(本文記載52機)=合計158機(本文と一致)という食い違いもある

モリソン戦記との相違点:
空母総搭載機数894機で、モリソン記載896機より2機少ない
(ただし、本文記載では896機出撃となっている)
4任務群出撃数107機で、モリソン記載106機より1機多い


1)第一次攻撃第一波(大和直接攻撃19機)、12時35分頃

第58・1任務群所属機による攻撃である。米国側資料では、爆弾20発投下(直撃弾4発)、魚雷8本発射(左舷に2〜3本命中)となっている。


第82爆撃機中隊(空母ベニントン所属)<SB2Cヘルダイバー>11機
うち4機が千ポンド半徹甲爆弾2発づつ計8発一斉投下
2発命中、後部射撃所、二番副砲、13号電探破壊

命中第一弾は、副砲塔のアーマーを貫いて火薬庫に達し、火災発生
この火災は「大和」沈没まで消えることなく命取りとなった
大和型戦艦の副砲塔は、最上型巡洋艦の陸揚げ品をそのまま流用したもので、対爆弾防御禦には致命的な弱点を有していたのだった

米側被害(ベニントン隊):
1機撃墜(撮影用カメラ装備)、2名行方不明
その他2機損傷(艦上で修理可能)

(大和戦闘詳報12時41分、後檣附近に中型爆弾2命中)


引き続いて
第17爆撃機中隊(空母ホーネット所属)<SB2Cヘルダイバー>14機
うち7機が千ポンド半徹甲爆弾と徹甲爆弾各6発(合計12発)投下
数発命中、前艦橋後部の兵員待機室附近、右艦首波除け附近など

さらに雷撃機が続く
第17雷撃機中隊(空母ホーネット所属)<TBMアベンジャー>14機
うち<8機>が「大和」雷撃、4本命中主張
(1機エンジン不調で帰還、残りは、大和以外を攻撃)

左舷中央部に2本命中、傾斜5から6度(右舷注水で1度まで持ち直す)
他1本、第3主砲塔後方の左艦尾へ命中の可能性あり

米側被害(ホーネット隊):
ヘルダイバー急降下爆撃機4機損傷(1機爆弾投下断念、2機母艦着艦後破棄、1機母艦に着艦できず海上着水機体喪失、その他乗員1名脚を負傷)
アベンジャー雷撃機1機撃墜(3名行方不明)、その他5機被弾(1機母艦帰還後破棄)

(大和戦闘詳報12時45分、左舷前部に魚雷1命中)


2)第一次攻撃第二波(大和直接攻撃73機)、12時59分攻撃下命

第58・3任務群所属機による攻撃である。第58・1任務群所属機による攻撃が終了するまで上空で待機していた各小隊による波状攻撃が絶え間なく繰り返された (魚雷44本、爆弾27発、ロケット弾112発)。米側記録では、少なくとも魚雷8本、爆弾5発命中とされている。

なお、記録された攻撃時刻については、日米双方とも相当の混乱が生じているものと考えられる。


第83戦闘爆撃機中隊(空母エセックス所属)<F4Uコルセア>5機
うち<1機>が千ポンド通常爆弾投下、左舷側上部構造前方に命中

第83爆撃機中隊(空母エセックス所属)<SB2Cヘルダイバー><12機
千ポンド徹甲爆弾22発、半徹甲爆弾2発(合計24発)を一斉投下
前方、第一主砲塔前方と第3主砲塔前方に爆発を認める

第83雷撃機中隊(空母エセックス所属)<TBMアベンジャー><15機
うち13機、挟み撃ちによる雷撃(アンビル雷撃法)
第一小隊4機(艦首右舷方向から)、第二小隊4機(艦首左舷方向から)、
第三小隊4機(第二小隊後方から)
魚雷3本命中確認、小隊所属12機以外の3機の働き記載無し
(米軍記録雷撃時刻、12時59分)

第47雷撃機中隊(護衛空母バターン所属)<TBMアベンジャー>9機
4機ごとの波状攻撃(合計<8機>)で右舷雷撃、13時08分
6本命中主張(4本確実見込み)、その他1機の働き記載無し
(米軍記録雷撃時刻、13時08分)

米側被害(エセックス隊):
ヘルダイバー急降下爆撃機5機被弾
アベンジャー雷撃機11機被弾
ヘルキャット戦闘機2機損傷(大和以外攻撃?)
ただし負傷者および撃墜機なし

米側被害(バターン隊):
アベンジャー雷撃機1機被弾(搭乗員1名負傷、機体破棄)
ヘルキャット戦闘機3機被弾(大和以外攻撃?)

(大和戦闘詳報13時37分、左舷中部に魚雷3命中)


第84雷撃機中隊(空母バンカーヒル所属)<TBMアベンジャー><14機
5つの小隊(2〜3機づつ)がおよそ1分の間に魚雷13本投下
左舷に7本、右舷後部に2本の命中を観測
(米軍記録雷撃時刻、12時58分)

第29雷撃機中隊(護衛空母カボット所属)<TBMアベンジャー><9機
魚雷2本の命中を観測
(米軍記録雷撃時刻、13時20分)

第84<戦闘機>中隊<14機>による攻撃も記録されているという
五百ポンド通常爆弾14発投下、ロケット弾112発発射
ただし、原勝洋著作の各任務群構成(本ページ下段参照)によれば、第84隊(空母バンカーヒル所属)の出撃機数は、戦闘機2機、戦闘爆撃機15機となっている。

米側被害(バンカーヒル隊):
アベンジャー雷撃機1機、魚雷投下前に撃墜(3名戦死)
他に2機被弾(1名負傷、7日後艦上にて死亡)

米側被害(カボット隊):
損害なし

(大和戦闘詳報13時44分、左舷中央部に魚雷2命中)


3)第二次攻撃(大和直接攻撃24機)、13時35分攻撃開始

第58・3任務群所属機による攻撃である。米軍側資料では、爆弾30発投下(多数命中)、魚雷6本発射(5本命中)となっている。


第10戦闘爆撃機中隊(空母イントレピッド所属)<F4Uコルセア><4機
千ポンド通常爆弾3発投下、命中1発、至近弾2発

(大和戦闘詳報14時02分、左舷中央部に中型爆弾3命中)

第10隊(空母イントレピッド所属)
急降下爆撃機中隊<SB2Cヘルダイバー><14機、雷撃機中隊TBMアベンジャー12機協同で、爆弾27発投下、左舷後部命中、煙突後方と艦中央部に多数集中して命中 。魚雷10本を、「大和」援護の「冬月」に投下
別の1機が発射した魚雷が「大和」<左>舷中央に命中

米側被害(イントレピッド隊):
ヘルダイバー急降下爆撃機5機被弾翼交換
アベンジャー雷撃機1機被弾(大和以外攻撃)

(大和戦闘詳報14時07分、<右>舷中央部に魚雷1命中。ただし被雷箇所が米軍記録と左右逆の記述になっている)

第9雷撃機中隊(空母ヨークタウン所属)<TBMアベンジャー>12機のうち
第一小隊<6機>による雷撃実行(大和に対する最後の雷撃)
まず4機が、大和右舷に4発の魚雷一斉投下、<右>舷中央部に3発命中

(大和戦闘詳報14時12分、<左>舷中部及び後部に魚雷2命中。ただし被雷箇所が米軍記録と左右逆の記述になっている)

続いて1機、右舷艦首に向け投雷、命中確認
最後の1機による雷撃、左舷艦尾に近い後部命中

米側被害(ヨークタウン隊):
記載なし

(大和戦闘詳報14時17分、左舷中部に魚雷1命中)

4)「戦艦大和」直接攻撃117機(原勝洋著作より)に対して、戦闘機が1機足りない(15機中14機分の記載しかない)。


<米海軍空母部隊(第58任務部隊)の詳細>

第58・1任務群(空母2隻+軽空母2隻)

空母「ベニントン」−第82航空群102機搭載中、28機出撃
 急降下爆撃機SB2Cヘルダイバー11機
 雷撃機TBMアベンジャー10機
 戦闘機F6Fヘルキャット6機(写真撮影機を含む)
 戦闘爆撃機F4Uコルセア1機(海兵隊所属)

空母「ホーネット」−第17航空群101機搭載中、44機出撃
 急降下爆撃機SB2Cヘルダイバー14機
 雷撃機TBMアベンジャー14機
 戦闘機F6Fヘルキャット16機(写真撮影機1機を含む)

護衛空母「ベローウッド」−第30航空群34機搭載中、14機出撃
 戦闘機F6Fヘルキャット8機
 雷撃機TBMアベンジャー6機

護衛空母「サンジャシント」−第45航空群34機搭載中、15機出撃
 戦闘機F6Fヘルキャット7機(写真撮影機を含む)
 雷撃機TBMアベンジャー8機

第58・3任務群(空母3隻+軽空母2隻)

空母「ハンコック」−第6航空群94機搭載中、48機出撃
 SB2C14機、TBM14機、F6F12機、F4U8機
空母「エセックス」−第83航空群100機搭載中、40機出撃
 SB2C12機、TBM15機、F6F8機、F4U5機
空母「バンカーヒル」−第84航空群103機搭載中、41機出撃
 SB2C10機、TBM14機、F6F2機、F4U15機
護衛空母「バターン」−第47航空群36機搭載中、21機出撃
 SB2C無、TBM9機、F6F12機、F4U無
護衛空母「カボット」−第29航空群34機搭載中、19機出撃
 SB2C無、TBM9機、F6F10機、F4U無

第58・4任務群(空母2隻+軽空母1隻)

空母「イントレピッド」−第10航空群120機搭載中、42機出撃
 SB2C14機、TBM12機、F6F無、F4U16機
空母「ヨークタウン」−第9航空群102機搭載中、46機出撃
 SB2C13機、TBM13機、F6F20機、F4U無
護衛空母「ラングレー」−第23航空群34機搭載、19機出撃
 SB2C無、TBM7機、F6F12機、F4U無


<戦艦大和>本文

参考資料:
戦艦大和の最期(米軍資料による)、このページです
「戦艦大和」参考文献
中国新聞にみる「戦艦大和」
現代に生きる「戦艦大和」の技術


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